大学・専門学校への進学や社会人になったことをキッカケに一人暮らしを始めようとしたときに、悩むのがインターネット環境を揃えることではないでしょうか?
パソコンは電源を入れただけでは使えません。インターネットに接続するには、自分のパソコンをインターネットに接続してもらう会社(インターネットサービスプロバイダー)と契約をしなければなりません。
パソコンをインターネットに接続するサービスには、固定インターネット回線とポケットWiFi(ワイファイ)があります。ポケットWiFiは自宅外でも、パソコン・タブレットをインターネットに接続できるサービスです。
特に大学・専門学校生にとっては、レポートや課題を書くために、自宅よりも大学や図書館などの外出先でパソコンを使うことが多いです。そのため、固定回線派よりもポケットWiFi派の人の方が多いのではないでしょうか。この記事では、ポケットWiFiをまだ使ったことがない方向けに、プロバイダーや契約プランを選ぶ時のポイントについて説明します。値段で決めてしまいがちですが、それが大きな失敗につながってしまうことがある点についても解説します。
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ポケットワイファイとは?特徴・メリット・デメリットを分かりやすく紹介!
ポケットWiFiには興味があるけれど、イマイチよく分からない、という読者の方のために、そもそもポケットWiFiとは何なのか?固定のインターネット回線と何が違うのか?について説明していきましょう。
外でパソコンを使いたいあなたのためのポケットワイファイ
ポケットWiFiとは、持ち運べるサイズのWiFiルーターやインターネット接続サービス自体のことを指します。固定のインターネット回線とは違い、LANケーブルという線につながなくても、ポケットWiFiを持っていれば、それだけで好きな場所でパソコンやタブレットでインターネットに接続できます。
自宅に固定のインターネット回線を契約し設置するタイプとは違い、ポケットWiFiは、持ち運び可能なので、どこでも好きな場所でインターネットをすることができます。線をつながなくても使えるという意味では、自宅に固定回線と接続したWiFiルーター(無線LAN親機)を使う場合と同じです。でも、自宅のWiFiルーターだと、自宅外では使うことができません。ポケットWiFiは、サービスが提供されているエリアであれば、全国どこでもインターネットに接続することができます。
データ通信の基礎知識。上りと下りの通信速度とは?
インターネットでブログやホームページを見たり、YouTubeで動画を見たりするときに、表示できるまでに時間が掛かったり、動画の動きがカクカクとして見づらかったりすることはありませんか?これらの原因の一つは、通信(回線)速度の遅さです。つまり、快適にインターネットライフを楽しむためには、通信速度は速ければ速いほど良いと言えます。
ただ、一言で通信速度と言っても、ポケットWiFiの会社の広告には、「上り」と「下り」の2種類があります。上りはアップロード、下りはダウンロードのことですね。一般に、固定回線であれポケットWiFiであれ、重要なのは下りのスピードです。YouTubeで動画を見る時であれ、ホームページを見る時であれ、下りの方が、膨大な量のデータをやり取りするためです。
1か月に何ギガ使えるの?
スマートフォンでYouTubeの動画をよく見ている月は、すぐに通信制限が掛かることってありませんか?その理由は、データ容量にあります。使える通信データの量は、「1か月に◯◯GB」などと決められているのです。その制限をオーバーすると通信制限として、通信速度を実質的に使えないほどの低速にされてしまいます。ポケットWiFiも同様で、契約前にデータ量の制限を確認しておくことが大切です。
ポケットワイファイのメリットとは?
ポケットWiFiのメリットは、まず自宅外でも、サービス提供エリアであれば全国どこでもパソコンをインターネットに接続できることです。
また、固定回線では設置に工事が必要で費用もかかります。ですが、ポケットWiFiは工事が不要で、電源を入れるだけで使える手軽さが魅力です。
その上、最近では通信速度・データ容量ともにアップしてきています。そのため、自宅でインターネットをたくさん使わない人の場合は、固定回線は必要ありません。
ポケットワイファイのデメリットとは?
ポケットWiFiの進化が著しいとしても、それでも固定回線の通信速度にはいまだ及びません。そのため、自宅でインターネットを頻繁に使う人には、まだまだポケットWiFiが固定回線の代わりをできる状態とはいえません。
また、ポケットWiFiはイメージ的に安いと思われがちですが、実際には固定回線より少し安いくらいで、あまり負担は変わりません。
値段で考えるよりは、
- 外出先で使うかどうか
- 大量のデータ通信が必要かどうか
といった、利便性で決めるようにしましょう。
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ポケットワイファイを比較するときのポイント
ポケットWiFiを契約する時にはどのような点に気を付けるべきなのでしょうか?値段で選べば万事OK!?いいえ、違います。ポケットWiFiと言っても、種類によって大きく特徴が異なります。まずは、ポケットWiFiの種類による特徴をきちんと押さえておく。その上で、自分の使い方にあったポケットWiFiを選ぶようにしましょう。
「LTE」と「WiMAX」の違い
ポケットWiFiには、大きく分けて、LTEとWiMAXの2種類があります。LTEとはスマホと同じ電波を使用しているサービスです。スマホが日本全国のいたるところで使用できるように、LTEもかなり広い範囲で利用することができます。一方で、WiMAXは、LTEよりも通信速度の速さとデータ容量の制限が緩いことが特徴です。
通信速度で選ぶ時のポイント
これから通信速度、データ容量、使用可能エリアの三つの観点から、LTEとWiMAXを比較していきます。LTE、WiMAXのそれぞれのポケットWiFiの元祖的な会社である「Yahoo! Wi-Fi」と「UQ WiMAX」を例に挙げながら、比べていきましょう。
LTEでは、スマホと同じ電波を使用しているため、スピードもスマホとほぼ同じくらいです。Yahoo! Wi-Fiの502HWというWiFiルーターの場合は、下り最大187.5Mbpsとなっています。
一方で、WiMAXは、LTEの電波よりも通信速度は高速です。UQ WiMAXでは、下り最大440Mbpsを実現しています。
1か月にどれくらいYouTubeが見られるの?
みなさんはYouTubeが好きですか?私はYouTuberが好きなので、毎日たくさんの動画を見ています。でも、YouTubeを一本見ると、どのぐらいのデータをやり取りしているのか意識したことのある人は少ないでしょう。
こちらによると、5分のYouTube動画なら、約24本で1GB通信したことになるそうです。それを踏まえて各社のプランを見てみましょう。
Yahoo! Wi-Fiの502HWでは、1か月のデータ容量は7GBです。単純計算すると、YouTube動画を170本分、時間にするとおよそ14時間程度になります。LTEでは、視聴時間が1日わずか30分以内でも、結構ギリギリです。
一方でUQ WiMAXでは、月間でのデータ通信の容量は無制限です。(ただ、3日で10GB以上の利用した場合は、速度制限を受けます。これを単純に1日あたりになおすと、YouTube動画80本分、およそ6時間半分に相当します。ほとんどの人には、データ容量は無制限ともいえる水準ではないでしょうか。)
使用できるエリアはどっちが広い?
結論から言えば、LTEの方が、使用できるエリアは広いです。WiMAXも使用可能エリアは日々拡大していますが、それでもLTEには敵いません。まずWiMAXのエリアを見てみましょう。UQのホームページで確認できます。
WiMAXは都市部については、ほとんどカバーされていますが、少し都市から離れると、意外にも漏れているエリアが多くあります。
一方で、LTEの方はどうでしょうか?こちらは、Yahoo! Wi-Fiのホームページで確認することができます。
LTEも山の奥深くまではサポートされていませんが、人が生活できるような場所はほとんど網羅されていることが分かります。
また、WiMAXは大きな建物の中や地下では電波が悪くなってしまうことが多いのも弱点です。一方LTEでは、大きな建物や地下でも通信圏外になってしまうことは少ないため、場所を選ばず自由に使うことができます。
ここまで、「Yahoo! Wi-Fi」と「UQ WiMAX」を例に挙げながら、LTEとWiMAXを比較する時に外せないポイントを確認してきました。
LTE | WiMAX | |
---|---|---|
通信速度 | △ | 〇 |
データ容量 | × | 〇 |
使用できるエリア | 〇 | △ |
通信速度にこだわりがある人、たくさんYouTubeを見る人は、WiMAXがその希望を叶えてくれるでしょう。また、固定回線の代わりを果たすことができるのは、WiMAXです。LTEだとYouTubeを頻繁に見る人は、データ容量の制限は一瞬でオーバーしてしまうことでしょう。一方で、外出でインターネットを使うことが多く、しかも都市部から離れたWiMAXのエリア外でもインターネットを使う必要がある人は、LTEでなければ、その望みは叶えられそうにはありません。
実はどちらもプロバイダー選びが肝心!
ここまでLTEとWiMAXを比較してきて、値段についてあまり触れなかったのは、それぞれYahoo!やUQ以外の会社でもポケットWiFiのサービスを提供しているためです。実は、値段を比べる時には、大切なのはプロバイダーごとの価格体系や割引プラン・キャッシュバックキャンペーンが鍵を握ります。それぞれ元祖はYahoo!とUQですが、必ずしもそれが最安プランとは限りません。自分の使い方にあったプランを提供するプロバイダーを選ぶことが大切になります。
ルーターの値段は?
ルーターによって、データ通信速度は変わってきますし、使い勝手も違うのは確かです。でも、実際には各プロバイダーが販売しているルーターの中で最新のものを選べば正解でしょう。値段が気になる人もいますが、多くのプロバイダーは、WiFiルーター自体は、インターネット接続プラン契約者には1円や0円で販売しています。もちろん、WiFiルーター単体で購入する場合には、値段は大事ですが、プラン契約者にはほとんど関係ありません。
値段を比べるなら月額よりも2~3年トータルで!
プロバイダーやプランを比較する時、大切なのは月額料金ではなく、2~3年トータルの料金です。多くのプロバイダーがホームページに大々的に書いてある値段は一番安いプランや色々な割引を適用した金額であることに気を付けなければなりません。一番安いプランがあなたにふさわしいプランとは限らないでしょう。割引にも注意が必要で、契約後3か月間だけは半額で、それ以降は正規の値段になるというところも多いです。
また、一度契約すると2~3年以内の解約の場合は、解約手数料が必要なプロバイダーも多いので、2~3年間のトータルでどのぐらいの料金か、あらかじめ確認しておくことが大切です。
まとめ:ポケットワイファイを比較するなら、値段プラスアルファが大切
ポケットWiFiを使ったことのない人は、どうしても値段だけで考えてしまいがちです。各プロバイダーが最安プランの値段をドーンと大きく宣伝するため、それが全てだと勘違いしてしまう人が多いかもしれません。でも、快適にポケットWiFiでインターネットを使うには、値段以外のプラスアルファこそが大切です。特に、通信速度・データ容量・使用エリアはプロバイダー・プラン比較時には必ず確認しておきましょう。
また、値段を比較する時も、広告にデカデカと書かれた数字ではなく、3年間の契約期間でのトータルを計算して比較しなければなりません。まずはあなたがどんな使い方でポケットWiFiを使うのかを考えましょう。そのうえで、契約する時には、宣伝文句に引きずられないように、冷静に検討することで、失敗のないポケットWiFi選びが可能になります。
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